タクシー運転手は、街中で様々なお客様に接する「接客サービス業」です。服装や身だしなみは“その人自身の印象”だけでなく、“会社やタクシー全体への信頼”にもつながります。
本記事では、
「制服なのか、私服でもいいのか?」
「髪型やネイルはどこまで許される?」
「面接はどんな服装が良いのか?」といった疑問を、網羅的にまとめました。

古川 篤志
【日本交通横浜㈱ 統括本部長】
2006年に都内日交グループ会社ワイエム交通㈱へ乗務員として入社。現場経験を積みながら運行管理者、代表取締役を歴任し、2021年からは日本交通グループ関西の執行役員本部長として勤務。2023年より日本交通横浜㈱に異動し、現在は統括本部長として会社全体の運営と採用に力を入れています。
運行管理者(旅客)の資格を持ち、採用担当としては5年間で年間230名の採用、年間142名の面接を経験。現場と経営の両方を知る立場から、これからタクシードライバーを目指す方々に安心して入社いただける環境づくりを心がけています。
タクシー運転手の服装は「制服」が一般的

多くのタクシー会社では、乗務員に制服を配布し、勤務中は制服を着用することを基本としている企業が多いです。
制服には、①清潔感や統一感を演出できる、②ブランドイメージを保てる、③従業員の服装選びの負担を軽減できるというメリットがあります。
制服は男女ともに、「ジャケット(またはベスト)」「白シャツ」「ネクタイ」「スラックス」「黒革靴」が一般的です。落ち着いた色味が中心で、清潔感と信頼感を軸にデザインされています。
私服 OK の会社もあるが、実質的にはスーツに近い
一部のタクシー会社では私服勤務を認めている場合もあります。しかし“自由な服装でOK”という意味ではなく、実際には ビジネススーツに近い服装 が求められる場合が多いです。
私服勤務でも求められることが多い基準
- ジャケット着用
- 白または淡色のシャツ
- 落ち着いたネクタイ
- 黒または紺のスラックス
- 黒の革靴
制服の有無に関わらず、タクシー運転手の服装には「清潔感」と「接客業としてふさわしい見た目」が求められます。
タクシー運転手の身だしなみで大切なポイント
服装と同じくらい大切なのが「身だしなみ」です。会社によって詳細な基準は異なりますが、下記のような基準を設けている場合が多いです。
シャツ・ネクタイ・ジャケット
- 白シャツは最も無難で誰からも好印象
- 柄物や派手な色は避ける
- ネクタイは黒・紺・グレーなど控えめな色
- ジャケットは季節・会社規定に合わせる
靴の選び方
最も多いのは 黒の革靴です。スニーカーは動きやすいものの、接客業の印象としてカジュアル感が出てしまうため、避けられることが多いです。
髪型の基準
タクシー運転手の髪型で重要なのは「清潔であること」です。
- 自然な髪色
- 目にかからない前髪
- 長い髪はまとめる
- 男性のヒゲは整える
無精髭や過度な明るいカラーは禁止している企業も少なくありません。
ネイルの基準
女性乗務員の場合、ネイルに関する質問がよくあります。派手過ぎず、長すぎず、自然な色味であれば許容している会社も多いです。
季節ごとの清潔感の工夫
タクシー乗務は長時間の運転になるため、季節に合わせたエチケットや工夫を心がけることによって、乗務員側もお客様側もより快適に過ごすことができます。
夏は通気性の良いインナーの着用、色移り・汗ジミが目立たないシャツを選び、必要に応じて汗拭きシートや制汗スプレーを利用しましょう。
女性タクシー運転手の服装
女性乗務員も増えており、制服にも女性向けのデザインが導入されている会社があります。
一般的な女性の制服
- スラックスまたはスカート
- シャツ+ベスト
- スカーフを合わせる会社もある
髪型・メイクのポイント
- 髪をまとめると清潔感が出る
- 過度に派手なメイクなどは控えると無難
制服は支給される?会社で異なる「費用負担」
制服の取り扱いは会社によってかなり差があります。
一般的には、下記のようなパターンが多いです。
- ジャケット・スラックス → 支給
- シャツ・ネクタイ → 支給または購入
- 靴 → 自分で用意する場合が多い
靴に関しては、黒革靴を指定する会社が多めです。制服支給の範囲や購入の必要性は会社ごとに異なるため、応募時に確認しておくと安心です。
身だしなみチェックリスト
日々の乗務で出勤前に確認しておくと安心な身だしなみのチェックポイントをまとめました。身だしなみを整えることによって、自分自身の気持ちも整い、仕事に臨む姿勢がシャキッとします。
- シャツが清潔で、シワやフケがついていない
- 靴は黒革靴で、汚れやすり減りがない
- 髪が整っており、前髪が目にかからない
- ひげは無精ひげにならないよう整える
- 爪は短く切っておく(男性の場合)
- 服にほつれや毛玉がない
面接時の服装|合否に直結する第一印象

タクシー運転手は「接客」を伴う仕事のため、身だしなみの印象も重要なポイントになります。面接で良い印象を得るためには身だしなみを整え、手入れのされたスーツで臨むのがおススメです。
男性の場合
男性は黒か紺のスーツに白シャツという、もっともシンプルなスタイルがおススメです。落ち着いた色味のネクタイを合わせましょう。髪型は短め、もしくは清潔に整えられていれば基本的に問題ありません。
- 黒 or 紺のスーツ
- 白シャツ
- 落ち着いたネクタイ
- 黒革靴
女性の場合
女性もスーツスタイルがもっとも無難で、パンツスーツでもスカートスーツでも一般的に問題ありません。インナーはシンプルなデザインを選び、髪はひとつにまとめるなど、表情が見えやすいスタイルが好印象につながります。
- スーツ
- シンプルなインナー
- 髪はまとめて表情を見えやすく
まとめ|服装は信頼をつくる一番わかりやすい要素
タクシー運転手の服装はにおいて、制服・私服にかかわらず、「清潔感」「誠実さ」「落ち着き」がある装いは、お客様に安心を届けるための大切な要素です。
髪型やネイルも、過度でなければ柔軟に認められるケースが増えています。面接では清潔感を重視した服装を選び、第一印象で誠実さを伝えることが、採用への大きな一歩につながります。
“見た目を整えること” は、タクシー運転手としてのプロ意識にもつながります。これからタクシー運転手を目指される方も、この記事を参考に準備を進めてみて下さい。

