タクシー運転手を目指す際、「視力が基準を満たしているか」「深視力の検査が不安」という声は少なくありません。タクシー業務は安全運転が前提となるため、二種免許の取得時には視力・深視力に関する明確な基準が定められています。しかし、基準を正しく理解していないことで、必要以上に不安を感じてしまう人も多くいます。
特に次のような悩みを持つ方に役立つ内容です。
- 視力が低めでもタクシードライバーになれるのか知りたい
- 深視力(三桿法)で不安がある
- 自分が基準を満たしているかどうか確認したい
この記事では、タクシー運転手に求められる視力・深視力の法定基準を整理し、検査内容や注意点をわかりやすく解説します。視力に不安がある方でも適性を正しく判断できるよう、必要な情報をまとめています。

古川 篤志
【日本交通横浜㈱ 統括本部長】
2006年に都内日交グループ会社ワイエム交通㈱へ乗務員として入社。現場経験を積みながら運行管理者、代表取締役を歴任し、2021年からは日本交通グループ関西の執行役員本部長として勤務。2023年より日本交通横浜㈱に異動し、現在は統括本部長として会社全体の運営と採用に力を入れています。
運行管理者(旅客)の資格を持ち、採用担当としては5年間で年間230名の採用、年間142名の面接を経験。現場と経営の両方を知る立場から、これからタクシードライバーを目指す方々に安心して入社いただける環境づくりを心がけています。
タクシー運転手に必要な視力条件とは?

二種免許で定められている視力基準(両眼0.8/片眼0.5以上)
タクシー運転手として働くためには「普通自動車第二種免許(二種免許)」が必要で、その受験資格として視力基準が定められています。基準は両眼で0.8以上・片眼それぞれ0.5以上であり、眼鏡やコンタクトレンズを使用した矯正視力でも構いません。運転に必要な視力を満たしているかどうかは、この段階で確認されます。
基準を満たしていれば、裸眼である必要はありません。矯正が可能であるかどうかが重要で、視力が低いこと自体がタクシードライバーを目指す上での障害になるわけではありません。
深視力(三桿法)とは何か
二種免許では、視力だけでなく深視力(遠近感)の検査が行われます。深視力とは、物体までの距離を立体的に識別する能力のことです。タクシー運転では車間距離の把握や安全な合流に必要な能力であり、深視力が不足していると安全運行が難しくなります。
深視力は「三桿法」という専用の測定装置で検査され、3本の棒のうち中央の棒が前後に動き、両脇の棒と一直線に並んだタイミングを判断します。平均誤差2cm以内が基準で、この範囲なら合格です。
なぜ視力・深視力がタクシー運転手に必要なのか
タクシー運転手は、日中だけでなく夜間の走行、狭い道路での停車、歩行者や自転車との距離感など、常に複雑な状況判断を求められます。視力は標識・信号・周囲の状況認識に必要で、深視力は車間距離や停止位置の判断など、安全運行に欠かせない能力です。
特にタクシーは街中での近距離運行が多く、瞬時の距離感が求められます。視力基準が法令で定められているのは、乗客と運転手双方の安全を確保するためです。
二種免許の視力検査はどう行われるか
視力検査(静止視力)の流れ
視力検査は、一般的な視力表を使って左右の視力を測定し、両眼・片眼の基準(0.8/0.5)を満たしているか確認します。眼鏡やコンタクトを使用して受験することができるため、日常的に矯正をしている人でも問題ありません。
視力検査の目的は、「運転に必要な最低限の視力を確保できているか」を確認することであり、細かい文字の読解能力などを求めるものではありません。
深視力検査(三桿法)の具体的手順
深視力は「三桿法」と呼ばれる装置を用いて測定します。3本の棒のうち中央の棒が前後に動き、両脇の棒と並んだと感じたらスイッチを押す方式です。3回の測定を行い、その平均誤差が2cm以内なら合格となります。
この検査は視力とは別に「遠近感の正確さ」を測るもので、慣れていない人は戸惑うことがあります。試験前に練習ができる教習所もあるため、不安な人は事前に試しておくと安心です。
不合格になるケースとよくある原因
視力検査で不合格になるケースは少なく、多くは深視力検査で基準に達しないことが原因です。理由としては、
- 眼鏡の度が合っていない
- 乱視に気づいていない
- 片目に頼った見え方の癖がある
などが挙げられます。
深視力は“慣れ”の側面もあるため、事前に練習をすると改善するケースがあります。ただし、視力に関して不安がある場合は眼科医に相談し、根本的な原因を確認することが重要です。
視力に不安があるタクシー運転手が確認すべきポイント
眼鏡・コンタクトで視力基準を満たせるか
二種免許の視力基準は、矯正視力での受験が可能なため、裸眼視力が低くても問題ありません。重要なのは、眼鏡またはコンタクトを使用した状態で「両眼0.8以上・片眼0.5以上」をクリアできるかどうかです。度数が合っていない眼鏡では視力が出にくいため、受験前に最新の度数へ調整しておくと安心です。
日常生活では不便を感じていなくても、視力検査で数値が不足するケースもあります。免許更新のタイミングで視力の変化を確認し、自分の見え方を正確に把握しておくことが大切です。
深視力でつまずきやすい人の特徴
深視力は視力とは別に「両眼のバランス」や「奥行きの認識力」を測る検査のため、苦戦する人も少なくありません。乱視がある場合や、片目ばかり使う癖がある場合、正確な立体視が難しくなることがあります。
慣れていない人は、棒の動きがゆっくりに感じたり、並んだタイミングが分からず早押し・遅押しになってしまうことがあります。教習所や眼鏡店では深視力の練習ができる場所もあるため、事前に試しておくことで合格率が高まります。
年齢による視力変化と安全運転への影響
年齢を重ねるにつれて、視力は「見えにくさ」だけでなく「疲れやすさ」や「ピント調整力の低下」といった変化が起こりやすくなります。夜間になると光がにじむ、標識がぼやけるまでの距離が伸びるなど、運転に影響を与える症状が出ることもあります。
これらは適切な矯正や定期検査で改善できる場合があり、早めに対策することで安全運転につながります。視力の変化に不安がある場合は、眼科で定期的なチェックを受けることが推奨されます。
タクシー運転手で視力が弱い場合の対策と改善方法
眼鏡・コンタクト選びで気をつけるポイント
視力が基準ギリギリの人ほど、眼鏡やコンタクトの選び方が重要になります。度数が合っていない矯正具は、深視力に影響したり、疲労を増やしてしまうことがあります。特に乱視がある場合は、適切な乱視矯正レンズを使うことで見え方が安定しやすくなります。
運転用と日常用で度数を分ける人もおり、自分の見え方に合わせた調整を行うことで合格しやすくなるケースがあります。眼鏡店で運転時の視界に合わせたレンズを相談するのも効果的です。
深視力トレーニングの方法
深視力は、一度でうまくいかなくてもトレーニングで改善するケースがあります。一般的な方法としては、
- 遠くの物と近くの物を交互に見る
- 両目で対象物の位置を確認する練習を繰り返す
- 教習所の三桿法装置で練習する
などがあります。
深視力は「両眼の協調」がポイントのため、リラックスした状態で練習することが大切です。ただし、トレーニングで改善するかどうかは個人差があるため、不安が強い場合は医師の判断を仰ぐ必要があります。
視力に不安がある場合は医師に相談すべき理由
視力の問題には、矯正で改善できるものと、検査や治療が必要なものがあります。深視力が安定しない原因の中には、乱視・不同視・眼疲労など自覚しにくい症状が潜んでいることもあります。
誤った自己判断で受験してしまうと不合格になる可能性があるため、「視力が不安」「深視力がうまくできない」と感じる場合は、早めに眼科で相談することが安心につながります。法令基準に適合するかどうかは専門家の確認が最も確実です。
健康面でチェックしておきたいその他の項目
夜間視力・眩しさへの耐性
タクシー運転手は夜間走行が多く、暗い中でも標識や車両の位置を正確に把握する必要があります。夜間視力が低下していると、ヘッドライトの光がにじんだり、歩行者の発見が遅れるリスクが高まります。
眩しさへの耐性も重要で、対向車のライトに目が慣れず見えにくくなる場合は注意が必要です。サングラスやコントラストを調整するレンズで改善できるケースがあります。
疲労時の視界の変化
視力は疲労の影響を受けやすく、長時間の運転で視界がぼやけたり焦点が合いにくくなることがあります。これは視力そのものが低いわけではなく、眼精疲労が原因であることが多いです。
適切な休息やまばたきの意識、車内環境の整備などで改善することがあり、長時間運転が続くタクシー乗務では欠かせない対策です。
健康診断で見落としやすい項目
視力だけでなく、ドライアイ、軽度の乱視、夜間視力の低下などは一般的な健康診断では見逃されやすい項目です。運転に直接影響する要素も多いため、視機能全体を詳しく調べたい場合は眼科の精密検査を受けるとより確実です。
安心してタクシー運転手を目指すためのチェックリスト

二種免許受験前に確認するポイント
- 矯正視力で基準(両眼0.8/片眼0.5)を満たしているか
- 深視力を事前練習できているか
- 乱視の有無や矯正度数が最新かどうか
数値が基準に近い人ほど、事前のチェックと調整が重要です。
眼科で相談すべき内容
- 矯正で視力基準を満たせるか
- 深視力に影響する症状がないか
- 運転に適したレンズの種類
- 夜間視力の状態
専門家によるアドバイスを受けることで、受験当日の不安が軽減されます。
受験当日の注意点
- 前日は十分な睡眠を取る
- 眼鏡・コンタクトを正しい状態に調整する
- 深視力検査時は焦らずリラックスする
緊張によって誤差が大きくなることがあるため、落ち着いて臨むことが重要です。
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まとめ:視力条件を理解し、自分の適性を把握して安全に働く
タクシー運転手を目指す際に求められる視力基準は、二種免許の受験資格に基づく明確なルールがあり、矯正視力で基準を満たせば問題なく受験できます。深視力については慣れの要素もあるため、事前練習や専門機関での相談が役立ちます。
視力に不安がある人でも、正しい矯正や検査を行うことで多くのケースが解決可能です。自分の状態を把握し、安全に運転できる条件が整っているか確認することが、タクシードライバーとして働く第一歩になります。

